知性の終わり 2018 3 31

 近年、中小の本屋が倒産したという話は、
よく聞きましたが、
最近は、大型書店まで規模を縮小させています。
 たとえば、1階が雑誌、2階が学習書・児童書、
3階が専門書という大型書店がありましたが、
どの部分が縮小したかというと、3階の専門書です。
 政治、経済、科学、歴史、文化、芸術の専門書が勢揃いしていましたが、
大幅に縮小して、2階の学習書・児童書と同居しています。
こうなると、各分野の代表的な本しかありません。
 このような専門書は、本屋の本棚に並ぶ、
背表紙を見て、興味を持ったら、
実際に手にとって、目次を見ながら、
「買ってみよう」となるのに、
本屋に実物がなければ、
誰も専門書を読まなくなるでしょう。
 「この本屋は、少し不便なところにあるので、
本が売れなかったのか」と思っていたら、
駅近くの大型書店でも規模の縮小が始まったという。
大型書店が中規模書店になっていくようです。
 専門的な知識を体系的に学ぶには、
専門書をじっくり読む必要があります。
 しかし、大型書店から専門書が消えていけば、
そういう機会がなくなります。
 インターネットでも知識を集めることはできますが、
やはり、断片的な収集になります。
 今まで、私は、大型書店の書棚を上から下まで見て、
興味を持ったタイトルがあれば、実際に手にとって、
目次を見て、気に入れば買うということをしていました。
この方法で、意外な本や貴重な本を発見していました。
 我々は、進化しているのか。
コンピューターの驚異的な発達とは逆に、
むしろ退化している、あるいは退化する方向にあると言えるでしょう。
 本屋から専門書が消えれば、
ほとんどすべての人は、雑誌とテレビの日々となります。



































































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